今注目のWeb接客、代表的なサービスとメリット・デメリットをご紹介
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目次
Web接客とは何か?
「Web接客」とは、実際の店舗で行われるような個々に合った接客サービスを、Webサイト上で行うことのできる新たなデジタルツールです。
ウェブ上で入手したユーザーの会員情報や購買履歴、閲覧履歴、ページ滞在時間などから分析を行い、ユーザーに合ったおすすめ商品やキャンペーン、クーポンを紹介するなど、カスタマイズされたサービスを提供します。また、商品に関する質問や疑問をチャットツールを使用してその場で実現することが可能となりました。
すでにメガバンクや大手ECサイト、人材派遣会社や大手スポーツメーカー、化粧品メーカーなさまざまな業界が導入をしており、その成果について評価しています。
なぜ、Web接客が注目され始めたのか?
そのポイントをまとめてご紹介します。
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ECサイトの増加により、市場内での競争の激化
EC市場が急成長を遂げ、ECサイトが乱立し、競合サイトが増えています。そうなると、どのサイトもユーザーにとって変わりばえのしない、魅力のないものに映ってしまうものです。また、業界内での競争性が高まると起こる現象の1つが、価格の安いECサイトへの流出です。残念なことに、価格競争が始まると業界は衰退の一途を辿ります。
そこで、EC市場のさらなる活性化の救世主として現れたサービスが、ユーザーに価格以外の特別な体験、つまり店舗で体験できるようなサービスの提供を可能にしたWeb接客です。
高齢者のEC利用額が5倍にアップ。使いやすさを重視したサイトへのニーズの高まり
総務省が平成27年に高齢者を対象に実施した1ヶ月あたりのネットショッピングにおける世帯割合の支出額の調査で は、平成14年の659円から平成26年の3,264円と約5倍に増えています。とはいえ、高齢者にとってオンラインショッピングとはまだまだ直感的には理解しづらいものです。どのように次のステップに進んで良いのか、どのようにカート内を閲覧できるのか、購入手続きを進めて良いのかなどわからないことだらけ。
店舗の店員がするように案内してくれるWeb接客は購買までのステップがスムーズに進み購買促進にもつながります。また、限られた老後の資金を使って何度も検討を重ねたい大きな買い物、たとえば海外旅行や、金融商品の購入では、Web接客を使った一人一人への丁寧なアプローチが功を奏します。
店舗体験をECサイトで。「個」のニーズに対応することで差別化を
日本人は、店舗で買い物をする際に当たり前のように店員にホスピタリティや自分に合った的確なサービスを期待しています。これまで、ウェブサイトではなかなか実現が難しかったこの2つがWeb接客では実現可能となりました。例えば、サイト常連者にはディスカウントクーポンを提示するなど、個々に対して差別化を図ったサービスを提供することでユーザーのブランドへのロイヤリティは高まります。
Web接客により、ECサイトは、価格で勝負するのではなく、オンライン上でもサービスにおける自社ブランドの差別化、優位性をユーザーと構築することが可能になりました。
代表的なWeb接客ツール
それでは、代表的なWeb接客ツールをご紹介しましょう。
Web接客
これまでご説明した通り、サイトに訪問したユーザーの目的や購買ステップに合った接客サービスを提供するツールです。サイト上で入手したユーザーの会員情報や購買履歴、閲覧履歴、ページの滞在時間などから分析を行い、個々のユーザーにあった商品の提案や、キャンペーンやクーポンの配信を行います。
CRM
ユーザーの年齢、性別、嗜好や過去の購入履歴や閲覧履歴など、ユーザーとECサイトの接点を顧客情報として集約し、管理するツールです。これらのデータをもとに、ユーザーの個々のニーズや、購買行動パターンを分析して導き出し、より的確なWeb接客サービスを実現します。
チャット
チャットツールでは、これまで実現できなかったウェブサイト上でのライブでのコミュニケーションが可能となりました。ユーザーの質問や疑問にその場で解決できるようになり、サイト滞在時間の改善やカゴ落ち対策に効果が見込めます。
カート離脱防止
購入を決めたにもかかわらずカートへ移動した後にページを離脱する割合は65%という調査結果があります。カート離脱防止ツールでは、こういったユーザーがページを離脱する原因とする、煩雑な入力作業、直感的に判断できないページ構成などのさまざまな問題を解決し、カート離脱率を改善するツールです。
サイト内検索
ECサイトユーザーにとって、必ずあって欲しい便利ツール。サイト内に自分の求める情報やサービス、商品があるかどうかをキーワード検索できるツールです。検索ツールがないことで、サイトの離脱率を高める可能性があります。
レコメンド
閲覧履歴や購入履歴を基に、ユーザーにおすすめの商品を提案するツールです。探している商品の類似商品や、自分では見つけることのできなかった商品がレコメンド欄に掲載されます。ユーザー側にとってもありがたい機能であり、運営側にとってもついで買いによる売上アップが見込める機能です。
導入のメリットと注意点は?
ここまで、Web接客ツールの魅力についてお伝えして参りましたが、残念ながら導入さえすれば売上がアップする!という万能ツールではありません。Web接客の導入を成功に導くためのメリットと注意点をまとめてご紹介します。
メリット:ユーザー、運用側の双方にとって満足度を高いツール
なんといっても、店舗での体験をウェブ上で実現できることにあるでしょう。個々にあったサービスを提供することで、顧客満足度は高まり、商品やブランドへの信頼度も高まります。また、直帰率やカゴ落ち率の高いECサイトは特に、このWeb接客を導入し使いこなすことで、多くの問題点が解決され、売上向上が着実に見込めます。費用も2,980円〜と低予算から始めることができるツールもあり、スモールスタートで効果を測定していけることもメリットの1つです。
注意点:戦略のない導入では失敗に
Web接客を導入したからといって、すべてが自動化され、ツールに任せっきりというわけではありません。たとえば、実店舗の体験をオンライン上で実現するチャットでは、人間が対応しなければなりません。対応が迅速でなかったり、ユーザーの満足いくものでなければ、ユーザーの再訪は見込めないでしょう。また、クーポンやキャンペーンもただばらまくのではなく、長期的な顧客となって欲しい層へ的確なタイミングで配布することが長期的な売上向上につながります。
Web接客サービスを最大限に活かすためには戦略を持った運用が必須です。運用前段階でのターゲティングや開始後の検証、戦略の見直しは、その他のツールと同様、運用側の重要なタスクとなります。
さらに進化するWEB接客
チャットツールにおいては、原則人間での対応が必要であると前セクションでご説明しましたが、実は、株式会社空色がIBM Watsonが開発したプラットフォームを使い、新たなサービスを展開しています。IBM Watsonは、チャット上で自然言語で投げかけられた質問を解釈して根拠に基づいた回答を提案し、商品の提案から購入まで対応できる接客サービスを提供します。想定外の質問などで対応が難しくなった場合は、プラットフォームから人間にスムーズに引き継ぎを行うことも可能です。
ますます進化を遂げることが期待されるWeb接客サービス。これまでは実店舗での接客が重要視されECサイトへの参入が難しいとされていた業界における新たな可能性の1つでもあります。今後、ECサイト市場はますます拡大を遂げ、またユーザーはより高いサービスをオンライン上でも求めていくことでしょう。
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