EC開業・運営ノウハウ
ネットショップ開業に必要な8つのステップ

ネットショップ開業に必要な8つのステップ

DX(デジタル・トランスフォーメーション)の波が到来し、日本のEC化率が急加速しています。経済産業省の調査では、2019年の物販系EC化率は6.76%と10年前から2倍以上に成長。2020年−2021年は新型コロナの影響で巣ごもり需要が拡大し、消費者のオンラインでの購買行動はさらに増加し続けています。

ネットショップに関するEC市場規模と物販EC化率の市場調査グラフ

引用:令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)|経済産業省 

オンラインショッピングの比率が高まる中、ネットショップを開業してみようと思う個人事業主・フリーランスの方も多いのではないでしょうか? しかし実際に開業を検討すると、
・ネットショップの開業手続きは手間がかかりそう
・ネットショップをオープンするまでに何をする必要があるかわからない
そんな不安のある方も多いかと思います。

今回の記事ではネットショップ開業の手続き、販売開始までにやるべきことを8つのステップでわかりやすく解説します。

これからネットショップを開業するか検討したい、という会社員の方にも参考になれば幸いです。

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目次アイコン もくじ

EC-CUBEでどんなネットショップがつくれるの? EC-CUBE導入事例を見る

ネットショップ開業のステップ①:開業届けを出す

個人事業でビジネスを開始するにあたり、まず開業届けを税務署に提出します。

開業届けは、個人事業主として事業を開始したことを証明するもので、青色確定申告をしたい場合は提出が必須です。事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが求められます。

個人事業主が青色申告を選択する場合には、開業届の他に青色申告承認申請書を税務署に提出します。

青色申告には
・最高65万円を控除できる青色申告特別控除
・30万円未満の固定資産を経費で計上できる少額減価償却資産の特例
などのメリットがあります。

開業届けの原本は国税庁のホームページまたはクラウド会計ソフトからダウンロードが可能です。作成した開業届は、税務署の窓口に提出します。

開業届けを出すメリットとデメリット

そもそも、なぜ開業届けを出すのでしょうか?メリットとデメリット双方を理解した上で、提出を検討しましょう。

開業届を出すメリット

  • 青色確定申告を申請できる
  • 青色申告により家族への給与を経費にできる
  • 小規模共済に加入できる
  • 赤字を最長3年間繰り越しできる
  • 屋号での銀行口座の開設ができる

開業届けを出すデメリット

  • 扶養から外れる可能性がある
  • 失業手当の対象外になる

上記の通り、ネットショップを事業として本格的に開始したい方には、メリットの方が大きいと言えるでしょう。また、開業前までにかかった経費を「開業費」として事後に計上できるので、購入した備品やシステム関連の領収書は大切に保管しておきましょう。

ネットショップ開業のステップ②:ショップコンセプトの決定

開業届が済んだら、次にショップのコンセプトを決めます。コンセプトとは概念や発想と言う意味ですが、シンプルに言えば「一貫してブレない考え」です。

コンセプトは、お客様に自分のお店・商品を選んでいただくために必要です。コンセプトがないお店は他社との差別化がしにくく、お客さまにも魅力が伝わりません。

ここでは5W1Hのフレームを使って、コンセプトを考えてみましょう。

WHY なぜネットショップを運営したいのか?
WHO ターゲットとなるお客様は誰なのか?
WHAT どんな価値を提供したいのか?(何を売りたいのか?)
WHEN お客様がいつ購入したくなる商品なのか?
HOW どのようなプロモーションや配送方法で販売するのか?
WHERE どこで購入できるのか?(自社サイト、モール)

例えば、ここで「30−40代のオーガニック志向の女性向け、サステイナブルなアクセサリーを販売することでエシカルな暮らしを届ける」というコンセプトを作ったとします。

このコンセプトが、後々、販売商品、ウェブサイトのデザイン、ブランディングすべてに通じるものになっていきます。もちろん、途中で変更することは構いません。
常にコンセプトを明確に持っておくことが重要です。

ネットショップ開業のステップ③:販売する商品と仕入れ方法を決める

ショップコンセプトが決まったら、次に考えるのは販売する商品と仕入れ方法です。 販売する商品の選定基準はたった1つ、「ショップコンセプトにマッチしているか」だけと言っても過言ではありません。コンセプトにマッチしていれば、ターゲットとしているお客様に響くからです。

「売れそうなものは何でも売る」というネットショップもありますが、コンセプトがブレて結果的にお客様に選ばれなくなることもあります。新商品を考える時には、常にコンセプトに照らし合わせてください。

さて、販売する商品を決めた後で、「どうやって商品を調達すればよいのか分からない」「自社で開発する能力もツテもない」と壁にぶつかる方も多いのではないでしょうか?

実際のところ、ネットショップの多くは「仕入れ」販売をしています。仕入れのメリットは、商品の自社開発が不要、在庫を保有しなくて済む点です。

仕入れ先は大きく3種類に分かれます。

  • メーカー(国内、海外)
  • 問屋(実店舗、ネット)
  • 商社(総合商社、専門商社)

近年では、中国のネット問屋が台頭しており、格安でネット問屋や商社から仕入れが可能になりました。アパレルやキッチン雑貨などは、メーカーや商社から買い付ける方法もあります。

ここでは、手軽に始められるという観点で、ネットショップ運営者に人気の国内外のおすすめ仕入れサイトをご紹介します。

  • トップセラー
    25万点以上の商品から好きな物を選んでネットショップで販売できる商品仕入れサイト
  • ネッシー
    「ネットで仕入れ」という言葉からきているサイト名で、個人事業主でも利用しやすい国内の仕入れサイト
  • Aliexpress
    アリババグループの運営する大規模ショッピングモール
  • Qoo10
    e-bayが日本で展開する会員数1600万人以上のオンラインマーケットプレイス
  • CHINAMART
    中国最大のインターネットショッピングモール「淘宝(タオバオ)」の商品を日本語で閲覧・購入できるサービス

メーカーに直接相談することももちろん可能ですが、一番手っ取り早く仕入れる方法がネット問屋です。安く仕入れることで、販売利益を確保することができます。また、どのような商品にニーズがあるのかを検証するために少量だけ仕入れることも可能です。ぜひご活用ください。

ネットショップ開業のステップ④:出店の場所を決める

商品と仕入れ方法が決まったら、ネットショップをどこで出店するのかを決めます。
出店形態は、大きく分ければ「自社EC」と「モール型EC」の2種類があります。
自社ECサイトというのは、自社ドメインを持ち、1つのウェブサイトとして独立しているECサイトを指します。モール型ECとは楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどに代表される総合ショッピングモールです。モールに出店するために審査や契約手続きが必要になります。
それぞれの比較は下記の表を参照ください。

  自社ECサイト ショッピングモール
費用 ○ リーズナブル △ 固定費がかかる
初期構築 ○ テンプレートあり ○ インフラ整備は不要
運用 △ 更新の手間はかかる △ 更新の手間はかかる
集客 × 自社で対策が必要 ○ モール全体の集客力が強い。セールイベントあり。
データ活用 ○ 顧客データ取得しやすい × 入手できるデータに制限
サポート △ カスタマーサポートのみ ○ 店舗運営全般のサポート
カスタマイズ ○ 自由度が高い × レギュレーションが細かい
ブランディング ○ 時間がかかるがブランド表現がしやすい △ 信頼性は高いが、独自性を出しにくい

モール型ECのメリット・デメリット

モール型ECのメリット

  • 集客力が高い(豊富な顧客数、セールイベント、SEOの強さ)
  • 信頼度が高まる
  • 各種機能が実装されているため、ネット初心者にも使いやすい

モール型ECのデメリット

  • カスタマイズ性が低い(デザイン、機能)
  • 固定費が発生する(システム利用料、各種手数料)
  • 低価格の仕入れ商品は利益が出しにくい
  • 開示されているデータに制限がある(顧客行動データ、広告効果データなど)

自社ECサイトのメリット・デメリット

自社ECサイトのメリット

  • 初期費用、ランニングコストを自社でコントロール可能
  • カスタマイズ性が高い
  • 独自のコンセプト沿ったブランディングが可能

自社ECサイトのデメリット

  • 集客が難しい
  • 運用保守などしっかり行う必要がある

このように見ていくと、コストと自由度の面で見ると自社サイトの方がメリットが大きいように思えます。

しかし、実際に自社サイトを構築する手間や運用コストは高くないのでしょうか?
ECサイト構築の方法は多岐に渡り、手間やコストもさまざまです。
ここからはECサイト構築システムを5つの種類に分けて、メリットと特徴を解説していきます。

ECサイト構築システム5つの種類

フルスクラッチ型

0からカスタマイズしてサイト構築をする方法です。
自社でサーバーを用意したり、サイトデザインも要件定義から始めたりすることから、手間と費用がかかります。
個人事業主のネットショップにおいて、現在では主流の手法ではなくなってきています。

ASP型

ASPとはApplication Service Providerの略称で、ソフトをインストールしなくてもクラウド上でプログラムにアクセスし、ソフトウェアを利用できる仕組みです。
EC業界ではASPカートと呼ばれる、カゴ(購入・決済)サービスを中心にした事業者を指します。
初期費用・月額費無料から利用できるものもあり、簡単にECサイトをオープンすることができます。
BASE、STORES.jp、Make Shopなどが代表的なサービスです。

パッケージ型

パッケージ化されたECサイトのソフトウェアをインストールして、サイト構築を行うタイプです。
サイトが成長していくにつれて機能を追加することができ、自由度が高いのが特徴です。
導入費用が高いのがネックと言えるでしょう。
ecbeing、EC-Orangeなどが代表的な製品です。

クラウド型

クラウドECの最大のメリットは拡張性の高さです。
自動的に機能アップデートされシステムを改修する必要がないため、コストパフォーマンスが高いことも利点です。
デメリットは、サービス側の仕様変更やシステムトラブルに影響されてしまう点があります。
ebisumart、Shopifyなどが主要サービスです。

オープンソース型

オープンソースとは、ソースコードが無料で公開されており、誰でもサイト開発ができる仕組みです。最大のメリットはコスト無料で、短期間で開始ができる点でしょう。
さらに、プラグインの追加で周辺サービスとの連携が容易にでき、独自のショッピングプラットフォームを構築することができるのが大きな魅力です。
代表的なサービスとしては、流通総額1500億円・180万DLを誇る国内シェアNo.1のEC-CUBEがあります。

ネットショップ開業のステップ⑤:決済方法の決定

出店形態が決まったら、次に決済方法を登録します。

ネットショッピングでの主な決済の種類には下記があります。

  • クレジットカード決済
  • ID決済
  • 代金引換
  • コンビニ後払い

平成29年の経済産業省の調査では、インターネットでの決済方法の約70%がクレジットカード払いを占めていますが、その他の決済方法も広く浸透している事が分かります。

ネットショップで利用される決済方法利用率グラフ

引用:平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)|経済産業省

近年では、楽天ペイ、Amazon Pay、Pay PayなどのID決済が急速に普及しています。買い物で貯まったポイントを決済に利用できること、ひとつのIDでデバイスをまたいで決済できるなどの利便性がユーザーにとっては魅力的です。

決済方法はもちろん多ければ多い方がユーザーは使いやすいのですが、ネットショップ事業者側としてはどれを選んで良いかわからないものではないでしょうか?またシステム連携に手間がかかりそうな不安もありますよね。

そんな課題を解決するのが、EC-CUBEが提供する「EC-CUBEペイメント」。20以上の金融・決済サービスとAPIで自動連携ができます。

EC-CUBEペイメント提携金融サービス(2021年3月現在)

ネットショップ開業の決済方法で選ばれる各金融サービス

さらに、早期入金や定期購入機能など最新の機能を標準で搭載しており、カスタマーサポートも充実しています。

決済周りに不安なネットショップ初心者にも安心!

ネットショップ開業のステップ⑥:配送方法/商品登録の準備

日本国内の配送は、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便の3社で9割以上のシェアを占めています。3社の配送形態のうち、「メール便」と「郵便・宅急便」の2種類に分けることができます。
小型商品の配送に向いている各社サービスを比較しました。

  クリックポスト ゆうパケット ゆうメール ネコポス ゆうパック 宅急便コンパクト 飛脚宅配便
種類 メール便 メール便 メール便 メール便 郵便 宅急便 宅急便
企業 日本郵便 日本郵便 日本郵便 ヤマト 日本郵便 ヤマト 佐川
価格 198円(一律) 250円〜 215円〜 385円(一律) 810円〜 680円〜 770円〜
配送日数 1日〜 3日前後 3日〜 1日〜 1日〜 1日〜 1日〜
重量 1kg以内 1kg以内 1kg以内 1kg以内 25kg以内 25kg以内 20kg以内
追跡 ×
補償 × × ×

小型商品を発送する際に特におすすめなのは、低価格メール便のクリックポストです。送料が全国一律198円と安く、配達記録が残る点が安心です。小物やアクセサリーであれば十分梱包可能なサイズでしょう。

「配送設定」は、ECサイト内でユーザーが商品購入する際、購入した商品をどのような方法で配送してもらうかを選択できるようにする為の設定項目です。

ECサイトによって異なりますが、一般的には基本情報・支払い方法・お届け時間・都道府県別対応などを設定することができます。

EC-CUBEでの商品登録のイメージ、詳細手順はこちらからご確認ください。

ネットショップ開業におすすめのEC-CUBE管理画面の画像

配送設定が完了したら、個別の販売商品登録を行いましょう。
一般的に、以下の項目など登録します。

  • 商品名
  • キャッチコピー
  • 商品種別
  • 商品画像
  • 商品説明文
  • 販売価格
  • 在庫数

EC-CUBEでの商品登録の詳細手順はこちら

商品登録作業は、商品が増えるたびに発生する作業です。最初から作り込みすぎず、シンプルに商品の内容と魅力が伝わることを意識してください。

ネットショップ開業のステップ⑦:集客方法の決定

ここまでで、配送・商品登録が完了しました。自社サイトもモール型ECも、ショップをオープンしただけでは注文が入ってきません。数万、数十万店舗の中から見つけていただくために集客方法を決め、実行します。

ECサイトでの主要な集客方としては下記の通りです。

  検索 広告 SNS
無料施策 SEO(内部対策、外部対策) メルマガ
クーポン
ポイント
Facebook
Instagram
LINE
Youtube
Twitter
有料施策 検索連動型広告 (リスティング、ショッピング広告など) 期間保証型広告(ディスプレイ、アドネットワークなど)
成果報酬型広告(アフィリエイトなど)
各種SNS広告

モール型ECは、モール内に購買意欲が高いユーザーが集まっているため、検索・広告を活用して売上アップがしやすい構造になっています。一方で、商品LPをカスタマイズしづらい、競合店舗が多いため販促費用が嵩む、外部サイトやSNSからの売上が計測しづらいといったデメリットもあります。

自社ECサイトでは、検索・広告・SNSの自由度が高く、あらゆる集客チャネルを使うことができます。その反面、集客力が全くない状態からのスタートとなり、広告運用を自社で行う手間もかかってしまいます。

EC-CUBEでは、Google Merchant Center, Facebook, A8.netなど様々な外部サービスとのプラグインを提供しており、集客面においてもカスタマイズがしやすいのが特徴です。LPをはじめとしたサイトデザインが自由自在のため、戦略的なマーケティング展開が実現できます。

自社で販売したい商品と集客手法の相性があるので、あらゆる手法を試すことができるシステムを導入することをおすすめします。

ネットショップ開業のステップ⑧:ショップオープン後に着手すること

無事にネットショップを開業できたあとは、いよいよ本格的に商品の販売開始となります。
最後に、オープン後に着手することの一部をご紹介します。

サイト全体、商品ページの設計

サイトのトップページ、カテゴリーページ、商品ページの構成を設計しましょう。
商品数が少ないうちは商品ページさえあれば成立しますが、お客様にコンセプトを伝え、安心して便利に使って頂けるような導線設計を心がけてください。

売上・コスト計画の策定

半年〜1年間でどのくらいの売上を生み出したいか、そのためにかけられるコストはいくらかを試算しましょう。また、商品ごとに利益がどのくらい出るのか、販促費はいくらまでに抑えるべきかをシミュレーションできると、赤字経営のリスクを小さくできるでしょう。

その他にも、以下の対策を行いましょう。

  • 受注管理
  • 顧客対応フローの構築
  • 在庫管理
  • 梱包・発送

お客様が商品を探し、購入し、手元に届くまでに発生するすべてのアクションを具体的に洗い出して、どれだけストレスがなく使って頂けるかを心がけるのが重要です。

ネットショップの開業まとめ

この記事では、ネットショップの開業手続きの方法と押さえておくべきポイントをお伝えしてきました。

「ネットショップをオープンしようにも、まだ何も決まっていない…」と漠然と不安を抱えている方は、実際にサイト設定作業から開始してみることをお勧めします。設定・登録をする項目が具体的に分かるだけでも大きな前進です。

「まずはネットショップをはじめてから様子を見たい」「自分ならではの個性を出したお店を開業したい」そんな方は、初期設定も簡単でカスマイズしやすいEC CUBEをぜひ利用してみてください。

この記事を書いた人
EC-CUBE編集部
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