ネットショップとクラウドサービスのオイシイ関係

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ネットショップは、人気が出てくると、「重い」、「遅い」という声が聞かれる様になりがちです。
また、テレビやYahoo!で紹介されたりして、注目を浴びたのに、たくさんのアクセスにサーバが耐えきれなくて、せっかくのチャンスを逃してしまったりすると残念です。
この記事では、クラウドサービスを利用すると、お客さんが気持ちよく利用できるパワフルなネットショップを構築できる事をご紹介したいと思います。

ネットショップを取り巻く、いろんな言葉

…と、その前に、ネットショップを立ち上げてみようと調べている時に、よく分からない言葉にぶつかる事はないですか?
例えば、「ドメイン」、「Webサーバ」、「データベース」、「DBサーバ」、「DNS」、「ロードバランサ」などなど・・・。

この記事では、まず、これらの言葉について、リアルな店舗に例えて、(誤解を恐れず)超ざっくりと説明してみようと思います。

ドメイン名

建物の名前のようなものです。
楽天やアマゾンに出店するのは、大型ショッピングモールの中に出店するようなものですが、独自のドメイン名があると、独立した店舗を建てているような状態になります。

Webサーバ

店頭にいる店員さんのような存在です。お客さんが来ると、Webサーバが応対します。

データベース

書類棚のようなものです。顧客台帳や、受注伝票の束などを収納できます。

DBサーバ (データベース サーバ)

書類の出し入れをする事務員さんのような存在です。接客している店員さんを手伝って、必要な情報を提供してくれます。(「DB」というのはデータベースの略です)

DNS (Domain Name System)

案内看板のようなものです。「〇×商店」がどこにあるのかを示しています。DNSの「D」と「N」は、「Domain」と「Name」の頭文字、つまり、最初に出てきた「ドメイン名」の事です。

ロードバランサ

複数の店員さんを雇った時に、お客さんの流れをコントロールしてくれる案内係のような存在です。
実際の世界と違い、ネットの世界では、お客さんの側からは、どの店員が忙しくて、どの店員が忙しいのかは全く分かりません。(何人の店員さんがいるのかすら分かりません)ロードバランサは、それぞれの店員に、まんべんなくお客さんを案内してくれます。

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ネットショップ(ECサイト)とクラウドサービスのオイシイ関係

さてさて、ここからが本番です。
それぞれの要素について、クラウドサービスを利用すると、どんな風に便利になるのかを、これまた超ざっくりと説明してみたいと思います。

Webサーバ (店員さん)

クラウドサービスがなかった時代、店員(Webサーバ)を雇おうと思うと、コンピューターを一台買ってくる必要がありました。でも、クラウドサービスを使うと、家から一歩も出なくても、ブラウザで数分操作するだけで、自分専用のサーバを用意する事ができちゃいます。

データベース(書類棚) & DBサーバ(事務員さん)

店員が、自分で書類棚から帳簿を出し入れして、記入したりする事もできますが、忙しくなってくると、書類関係の事を手伝ってくれる裏方の事務員さんがいると、助かります。
クラウドサービスがなかった時代、事務員さん(DBサーバ)を雇おうと思うと、コンピューターをさらに一台買ってくる必要がありました。でも、クラウドサービスを使うと、これまた人差し指1本で事は済んでしまいます♪

ドメイン名(建物の名前) & DNS(案内看板)

前述の通り、DNSというのは案内看板のようなものです。実際の世界とは違い、ネットの世界では、一度来店した事のあるお客さんも、DNSがなければ、(特殊な方法を使わない限り)再度来店する事はできません。それで、この案内看板が倒れない様にする事は重要ですが、「何がおきても倒れないものを作る」というのはネットの世界でも大変なのです。でも、それを専門にしているクラウドサービスを利用すると、堅固な案内看板を手軽に立てる事ができます。

ロードバランサ(案内係)

現実世界では、「お客さんを振り分ける案内係を雇えば良い」という感じで、簡単そうにも思えますが、クラウドサービスが無い時代、ネットの世界では、ロードバランサを導入できるのは、限られた企業だけでした。案内係を用意するという事は、案内係とは別に、店員が2人以上必要な訳ですが、店員を1人増やす=コンピューターをもう1台買ってくるという事です。忙しい時期に店員が10人必要であれば、少なくともそれだけのコンピューターを買ってこないといけないという訳です。でも、クラウドサービスでは、「忙しい時期には店員を増やして、忙しくない時は1人でいい」という事が簡単にできてしまうのです。これによって、ロードバランサは、小さなお店でも手の届く存在になりました。

・・・といった具合です。
クラウドサービスを利用すると、ひと昔前には一部の大企業でしか構築できなかったパワフルなネットショップを運営する事ができてしまう訳ですね!

具体例(Amazon Web Services)

さて、もう少し具体的な話しまで進んでみようと思います。
クラウドサービスにはいろいろあり、例えば、あのAmazonが提供しているクラウドサービス(AWS)には、以下の様なサービスがあります。

  • EC2
  • Route 53
  • RDS
  • ELB

・・・これまた、難しい単語だらけですね。でも大丈夫。
これらを超ざっくり説明すると、以下の感じになります。

  • EC2 = Webサーバ(店員さん)
  • Route 53 = DNS(案内看板)
  • RDS = データベース(書類棚)&DBサーバ(事務員さん)
  • ELB = ロードバランサ(案内係)

絵にすれば、↓こんな感じですね。

何をするものかが分かれば、見慣れない英単語も、少し親しみが湧いてきますね。

この記事では説明しきれませんでしたが、AWSには、「S3」や「CloudFront」、「CloudWatch」などなど、他にも便利で強力なサービスが盛りだくさんです。また、AWS以外にも、EC-CUBE公式のクラウドサービス「EC-CUBEクラウド」も提供されています。

EC-CUBEで実際にクラウドの力を借りるには、ちょっとしたノウハウとか、カスタマイズが必要な部分もありますが、クラウドサービスを利用すると格段にパワフルなネットショップを構築できるのだなと感じていただけたなら、幸いです。

(記事の挿絵:片岡 佳奈)

この記事を書いた人

羽生 賢太郎

小5の冬に図書館でプログラミングの本を借りてから、その魅力にとりつかれ、(ギター等に浮気しつつも)ゲーム作り三昧の中学~高校生活を送る。大学時代からアルバイトとしてN88BASIC、VB、VB.NET、Delphi、Java、Perl、PHPでのシステム開発に携わる。最近は主にBtoB(企業間取引)向けのサイト構築に従事。EC-CUBEコミュニティでは、ID:habuとして活動。

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